存在の耐えられない軽さ
31/12/14 01:33 Filed in: 海外文学
著者のミラン・クンデラはチェコの作家ですがスターリン主義時代に迫害されてフランスに亡命、以後フランスで著作しているようです。
登場人物がそれぞれの立場から一つの物語を語る、というスタイルで、読み続けるうちにストーリーが膨らんできます。
今ひとつクールになりきれないプレイボーイと、幸せとはいえない経歴の女性の恋の物語ですが、つかず離れず絡まり合った二人の関係は「プラハの春」以後のソ連による介入を契機に、少なくとも外面的には暗転していきます。
「上手に生きる」ことが要求された時代に彼らのとった選択は正しかったのでしょうか。おそらくあの時代、この小説で語られたような、時代によって狂わされた人性が数え切れないほどあったのでしょう。
数年前に旅行でプラハに行く機会がありました。中世の風情を残した美しい街でとても印象の残っています。ミュシャ、カフカの出身地でもあり、文化の香りが色濃く残っている観光地ですが、共産主義時代の博物館などソ連の支配時代への反感も強そうでした。地理的に常に列強に挟まれて苦労してきたお国柄から生まれたお話なんでしょうね。(島国の利点をちょっと噛みしめています)
登場人物がそれぞれの立場から一つの物語を語る、というスタイルで、読み続けるうちにストーリーが膨らんできます。
今ひとつクールになりきれないプレイボーイと、幸せとはいえない経歴の女性の恋の物語ですが、つかず離れず絡まり合った二人の関係は「プラハの春」以後のソ連による介入を契機に、少なくとも外面的には暗転していきます。
「上手に生きる」ことが要求された時代に彼らのとった選択は正しかったのでしょうか。おそらくあの時代、この小説で語られたような、時代によって狂わされた人性が数え切れないほどあったのでしょう。
数年前に旅行でプラハに行く機会がありました。中世の風情を残した美しい街でとても印象の残っています。ミュシャ、カフカの出身地でもあり、文化の香りが色濃く残っている観光地ですが、共産主義時代の博物館などソ連の支配時代への反感も強そうでした。地理的に常に列強に挟まれて苦労してきたお国柄から生まれたお話なんでしょうね。(島国の利点をちょっと噛みしめています)