イスラム国と日本の対応
26/01/15 03:03
この手の状況に際して必ず出てくるのが「自己責任論」、そして今回は首相の外遊中というタイミングを狙って発生したため「首相責任論」がちらほらと出ているようです。
自己責任論は、まあ、人質事件が出るたびに出てくる主張ですが、自分から危険な場所に出て行ったんだからリスクを犯した結果に対しては自分で責任をとれよ・・具体的には国が税金を使って何かする必要はない、という主張でしょう。まあ、一見正論ですが基本的にこの主張が出てくるのは決して自分から国際平和のためにリスクを覚悟で何かしよう、というようなタイプの人からではなく、深夜にパソコンの画面に対して鬱憤を晴らしているタイプの人から出てくる主張のように思います。
自己責任論の延長にあるのは、たばこを吸う人が肺がんになったのは「自己責任」だから健康保険を使うな、とか、人工授精でできたこどもが障害を持っていてもそれは「自己責任」だから・・という主張です。
まあ、医療関係の仕事をしていると確かにどうなんだろうね、というケースがしばしばあるわけですが、だからといって治療に手を抜くとかといったことはあり得ません。病気になったらそれに対していかに自己責任があるにしても治療に全力を出すのは当然であり、そういった意味では国民が人質になればその解放に向けて国が努力するのは(もちろんいろんな議論はあるでしょうが)当然のことでしょう。それを放棄するのは国家としての存在意義を自ら否定することにも成ります。
一方首相責任論ですが、確かに今回の事件のタイミングから見て一連の首相の行動が契機になった可能性はありそうです。イスラム国は英米以外の人質は殺害していません。トルコ、スペイン、フランスなどの人質は解放されており、背景には身代金を払った可能性も含めていろいろあるんでしょうが、多分英米との分断を図る目的もあって対応に差をつけてきたのではないでしょうか。そういった意味において、今回の事件は彼らからの「英米に追従すれば人質は殺害するぞ」というメッセージのようにも思います。ここしばらくの首相外遊中にとってきた言動が「対英米従属」であるととらえられ、世界に対してメッセージを発信するという彼らの目的の格好のターゲットになったとすれば、やはり配慮が欠けていた、もしくは甘く見すぎていた、という評価は成り立つでしょう。
彼らが二人のうち一人を選んで殺害したのは、もちろん敵対する勢力と行動を共にしていた、という事情もあるでしょうが、局部を切除し女性の生まれ変わりを自称していたという特殊な事情も関係しているかもしれません。おそらく彼らの倫理観からは理解しにくい行動であり、より好ましからざる人間と判断された可能性はあります。とすれば後藤さんに関しては「勇気を持って同胞を救うために危険を覚悟で行動した」点を強調する方が解放につながる可能性があるように思います。もちろん人質交換などより実際的な交渉を続けるのは必要でしょうがそれはあくまで現場の仕事であり我々国民としては見守るしかないわけで、だとすると残された可能性として彼の行動を宗教や政治とは別の次元での勇気ある行動として評価しメッセージを発信することで彼らの行動にある程度抑制をかけることは可能であると考えます。
自己責任論は、まあ、人質事件が出るたびに出てくる主張ですが、自分から危険な場所に出て行ったんだからリスクを犯した結果に対しては自分で責任をとれよ・・具体的には国が税金を使って何かする必要はない、という主張でしょう。まあ、一見正論ですが基本的にこの主張が出てくるのは決して自分から国際平和のためにリスクを覚悟で何かしよう、というようなタイプの人からではなく、深夜にパソコンの画面に対して鬱憤を晴らしているタイプの人から出てくる主張のように思います。
自己責任論の延長にあるのは、たばこを吸う人が肺がんになったのは「自己責任」だから健康保険を使うな、とか、人工授精でできたこどもが障害を持っていてもそれは「自己責任」だから・・という主張です。
まあ、医療関係の仕事をしていると確かにどうなんだろうね、というケースがしばしばあるわけですが、だからといって治療に手を抜くとかといったことはあり得ません。病気になったらそれに対していかに自己責任があるにしても治療に全力を出すのは当然であり、そういった意味では国民が人質になればその解放に向けて国が努力するのは(もちろんいろんな議論はあるでしょうが)当然のことでしょう。それを放棄するのは国家としての存在意義を自ら否定することにも成ります。
一方首相責任論ですが、確かに今回の事件のタイミングから見て一連の首相の行動が契機になった可能性はありそうです。イスラム国は英米以外の人質は殺害していません。トルコ、スペイン、フランスなどの人質は解放されており、背景には身代金を払った可能性も含めていろいろあるんでしょうが、多分英米との分断を図る目的もあって対応に差をつけてきたのではないでしょうか。そういった意味において、今回の事件は彼らからの「英米に追従すれば人質は殺害するぞ」というメッセージのようにも思います。ここしばらくの首相外遊中にとってきた言動が「対英米従属」であるととらえられ、世界に対してメッセージを発信するという彼らの目的の格好のターゲットになったとすれば、やはり配慮が欠けていた、もしくは甘く見すぎていた、という評価は成り立つでしょう。
彼らが二人のうち一人を選んで殺害したのは、もちろん敵対する勢力と行動を共にしていた、という事情もあるでしょうが、局部を切除し女性の生まれ変わりを自称していたという特殊な事情も関係しているかもしれません。おそらく彼らの倫理観からは理解しにくい行動であり、より好ましからざる人間と判断された可能性はあります。とすれば後藤さんに関しては「勇気を持って同胞を救うために危険を覚悟で行動した」点を強調する方が解放につながる可能性があるように思います。もちろん人質交換などより実際的な交渉を続けるのは必要でしょうがそれはあくまで現場の仕事であり我々国民としては見守るしかないわけで、だとすると残された可能性として彼の行動を宗教や政治とは別の次元での勇気ある行動として評価しメッセージを発信することで彼らの行動にある程度抑制をかけることは可能であると考えます。